商店街ではお祭り騒ぎのイベントが2月に一遍はやっている。フェスとかもあるのでなんだかんだ言って毎月何かやっている感じがある。子どもから大人までたくさんの人で盛り上がる。明るくていい。まさに正しきイベントって感じだ。飲み会の延長のような集まりとはわけが違う。
そしてこの数年のうちにできた怪しい店がある。
毎晩、音がうるさいわ、大声をが出るわ、地下をいいことに大騒ぎをしている。出てくる人間、入ってくる人間はみな人種がバラバラで、とても近所の人間とは思えない。弊店でございます。集団で商店街を歩いていると明らかに異色を放っている集団になる。店も一体、何の店なのかわからない。酒もうまくなさそうだし(実際うまくはない)、カラオケとかもないし、何が売りなのかもわからない。
しかし、会員制なわけでもない。全く正体不明の不気味な店であるが、人はいる。そういう店だから中から出る人間もわけがわからない。一体どこから来たどういう人たちなのか。俺だって、わかんないんだけどさ。
一体どういう店!?
イベントバーというわけのわからない内容でバーで、江古田にはとても似つかわしくない店である。新宿とかならあるし、1日店長という制度も珍しくはないのだが、毎日、誰でもノルマなしでできるっていうのもおかしいシステムだ。
もちろん、近所のお店からは胡乱げな目で見られるし、商店街の組合に入っていてもそれは変わらない。お店というよりただの現象に過ぎないのだ。存在というより概念。怪奇現象と呼ぶのが、ふさわしい。
受け入れて!
我々は認めてほしい。商店街の一部であると。しかし、商店街は我々を近しい存在としては見ない。何か変わったよくわからない形容しがたい謎。そりゃまあ、あれだけ近寄りがたい店をやっていたら仕方ないのだが。他のイベントバーも地域と溶け込むまではできてない様子だ。これはインターネットから生まれた産物としては仕方ない話かもしれないが、自分としてはインターネットもそんなうまいわけではないので、商店街にある店としてやっていきたい。
人も呼び込んでいるし、地域で仕入れもしているので、貢献はしているつもりだ。綿あめを商店街で売るというよくわからない行動もしている。それでもモノノ怪は人と相いれないというのだろうか。わざわざモノノ怪をやっている自分も悪いのだが。
圧倒的に利益があり、爆発的な経済効果を商店街にもたらせば、話は変わってくるのかもしれない。何とか継続はしていて、それが集客に繋がり、認知に繋がると思っているのだが、実際はそうもいかない。この文章も水曜日の19時46分に書かれている。もちろん接客していてはできないので、客は来ていない。そういう感じがまだ存在している店なので、利益での貢献はなかなかできない。
いったい、どうしたら……
本来はもっと地元と一体となってイベントを行い、地域の施設を使った催しもできればいいと考えたのが、そうはうまくいかず、相も変わらず、浮いたままである。じんわりと店の客は増えていっているのだが、たまに反乱を起こされ離反されてしまうからプラスが純粋に積みあがることもなくプラマイ相殺で微増というのが現実だ。
商店街の文化は明確に文化として認められている地域に根付いたものであるが、我々はぽっと出の怪奇現象だ。それを認めろというのは確かに暴論だ。どこかで認められるまでゆっくりと地下でやっていこう。