アニメレコードの魅力を徹底解説

みなさん、こんにちは、やしろです。

今回は、私の個人的な趣味であるアニメレコードについて、お話したいと思います。

アニメレコードの魅力とは

アニメレコードの歴史と文化(昭和から平成、そして令和の歩み)

まず、そもそも、アニメレコードって何なのかというところから話をすると、アニメ音楽を収録したアナログレコードの事ですね。

こんなやつですね。

見たことあるでしょう?

これは、映画「機動戦士ガンダム」のサントラです。

レコードプレーヤーを購入して最初に購入したレコードなので、とても感慨深いです。

1曲目の「宇宙世紀0079」という曲のジャジャーン♪という盛り上がりを最初聴いたときは感動しましたね。

ボール紙でできた正方形のパッケージに、音楽が記録されたレコード盤と解説書が入っています。

アニメ音楽というと、アニソンの事だと思うかもしれませんが、私が集めているのはもっぱらアニメサントラ、つまりBGM集ですね。

アニメサントラの歴史って、結構面白いので好きなんですよ。

2024年現在だと、大体のアニメって放送されたらサントラが発売されて、BGMを楽しむ事ができるわけですが、これも長い歴史があってこそなんです。

遡ること50年近く前、「宇宙戦艦ヤマト」にはじまる第二次アニメブームの最中、1977年12月に発売された「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」のヒットを皮切りに、高年齢層を対象としたアニメ音楽アルバムがリリースされるようになりました。

「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」はTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」で使用されたBGMをフルオーケストラでアレンジしたもので、純粋なBGM集というわけではなかったんですが、作品の材料の一部でしかなかったBGMが単体の商品として成立する事を当時の音楽業界に知らしめた、革新的なアルバムだったんですね。

これ以来、レコード会社はこぞってアニメBGMに力を入れるようになったわけです。

「宇宙戦艦ヤマト」の交響組曲に倣って、アニメのBGMを最初からフルオーケストラで作成し、劇中のBGMとして利用する傍ら、音楽アルバムとして発売するようになるなど、アニメ音楽の世界は一変しました。

「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」のヒットを受けて発売された70年代末期のレコードたちです。

どのアルバムも、組曲や、交響組曲と題されており、豪華な印象を受けますし、実際聴き応えもあります。

その後も、80年代に入ってシンセサイザーによるデジタル音楽が普及すると、アニメの劇中BGMをシンセサイザーアレンジしたデジタルトリップというシリーズが企画されたり、映像化されていないマンガ作品のイメージアルバムが発売されたりするなど、非常に充実した時代でした。

現代だと、アニメのサントラが発売される事自体は一般的になりましたが、BGMのアレンジアルバムまで出る作品ってそうそう無いので、アニメ音楽が現代以上に注目されていた事がわかっていただけると思います。

当時は映像ソフトが高価だったので、少ないコストで生産できる音楽ソフトのラインナップを増やしたかった、というのも理由にあるかもしれませんね。

映像ソフトの話で思い出しましたが、当時はTVシリーズや劇場映画の音声を収録した「ドラマ編」と呼ばれるアルバムもありました。

現代で言うところの、ドラマCDやボイスドラマみたいなものです。

これは、「機動戦士ガンダム」の放送終了後に発売されたアルバムです。

ジャケットの帯に記載があるように、TVシリーズの一部エピソードの音声が収録されています。

ジャケット裏面の曲目リストには、このように収録エピソードのサブタイトルが。

私が初代ガンダムを見すぎなだけかもしれませんが、初代ガンダムってサブタイトルだけでどんな話だったのかスグに思い出せるので、ものすごい丁寧に作られた作品なんだな~、っていつも思うんですよね。

ジャケットは見開きの解説書になっていて、劇中のキャプチャー画像がズラリ。

当時は映像を書面に落とし込む技術がそこまで発達していなかったのか、画質が怪しいですが、サブスクも無く、映像ソフトも高価な時代、映画を何回も観返す事ができないアニメファンたちは、解説書の画像を眺めながらドラマ編の音声を聴くことで、記憶を補完していたのかと思うと、このようなアルバムの存在は貴重だったのだと思います。

こういったドラマ編も、映像ソフトがVHS、DVDと普及した現代では、記録メディアとしての役目を終え、当時を懐かしむためのアイテムに留まってしまっていますが、映像ソフトの無い時代のファンには同じ時間を過ごした戦友としていつまでも心に残り続けるのでしょう。

そんな一時代を築いたレコードも、90年代に入ってCDが普及すると終息していくことになるわけですが、2020年前後になって再びレコードブームが再燃し、年配のレコード世代や、レコードを知らない若いCD世代など、2世代にわたってレコードが楽しまれるようになりました。

私も、そのCD世代の中の一人です。

アナログレコードの音質の良さ

レコードの収録時間は、表20分、裏20分の合計40分です。再生したら20分で止まったり、裏返したりしないといけないし、盤面に傷がついたら再生できなくなるリスクもあるので、非常に面倒くさいメディアではあるんですが、だとしても私はレコードが好きです。

その「好き」と言う気持ちについて説明できるほど、私は音楽に詳しくも無ければ、耳が良いわけでも無いのですが、何が良いかと言うと、CDよりもクリアに聴こえる、というのが大きいです。

これに関しては、CDとレコードを同じスピーカーで交互に聴き比べたうえでの感想なので、間違い無いと思います。

具体的にどのように違うのかと言うと、CDの音が、膜を張ったような、抑え気味に聴こえるのに対して、レコードの音には、そういった音を抑制するものが無く、透き通って聴こえるのです。

楽器を演奏している人に聴かせた時、「目の前で楽器を鳴らしているみたい」だという感想を貰ったこともあるので、こればかりは私の気のせいではないと思ったりもします。

そんなわけもあり、既にCDで持っているのにわざわざレコードも購入したアルバムも何点かあります。

あれ?さっき同じようなジャケットを見たような気がしませんか?

そう、この写真は、さっきお見せしたアルバムが後年にCDで復刻されたときのものです。

2000年代の初期に、コロムビアが過去のレコードアルバムをCDで安価に復刻するANIMEX1200という企画を進めていて、いろんな80年代アニメのアルバムが沢山購入できたので、当時、取り憑かれたように集めていました。

これらANIMEX1200シリーズのCDを聴いて、気に入ったアルバムの原版を聴きたいと思ってレコード購入に至ったわけです。

でも、2000年代当時はこんな簡単にレコードを購入できると思っていなかったし、手に入れる方法がわかっても、「どうせスグ飽きる」と思って手を出せずにいたので、実際にレコードを購入して楽しむまで20年の歳月を費やすことになってしまいました。

今では飽きることも無く、4~5年くらいの長続きする趣味になり、日々充実しています。

レコードに限らずですが、やりたい事って、なんだかんだ言い訳してやらなくても、いろんなきっかけが巡り巡って結局はやる事になるので、人生ってそんなもんだよな、と思う次第です。

アニメレコードの種類

近年のアニメサントラ

近年のアニメ作品でも、レコードでサウンドトラックがリリースされることが増えています。

ここ近年で流行ったアニメでは、「SPY×FAMILY」や「ぼっち・ざ・ろっく!」のレコードも発売されました。

私が購入したのは、2024年1月公開の映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDAM」のサントラレコードです。

平成時代にTVシリーズで幾多の戦いを盛り上げてきたBGMたちが令和の時代によみがえり、昭和時代に全盛を誇ったアナログレコードで奏でられるという光景自体が非常にロマンティクスですね。

もっとも、サントラレコードには映画のラストを彩った「去り際のロマンティクス」ほか、OPの「FREEDAM」や挿入歌の「望郷」、「Meteor -ミーティア-」が収録されていないので、アルバムとして物足りなさは否めません。

80年代に比べるとレコードの単価が高くなっているので、新作アニメのレコードはおいそれと購入することはできないですが、最近気になっているのは「アキバ冥途戦争 劇伴傑作集」です。レコードなのに、ジャケットイラストがかなり現代風なセンスでカラフルに描かれており、そのレコードアルバムに見えない絶妙なアンマッチ感が却って魅力的で、メイド喫茶のスタッフが他店舗のメイドさんと任侠モノのような死闘を繰り広げる番組コンセプトに非常にマッチしている気がします。

このアルバムを買うためにアニメを観てみようかと思っているくらいです。

なんだか、レコードジャケットでアニメ視聴を考える・・・というのも、80年代のアニメオタクみたいで、当時にタイムスリップした気分になります。

ちなみに、先ほど紹介した「機動戦士ガンダムSEED FREEDAM」のサントラは、別の記事でも途中まで紹介しているので、気になったら読んでみてください。気が向いたら続きを書きます。

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おすすめのアニメレコード

定番の名盤とその特徴

アニメが名作だからレコードが名盤になるのか、純粋に音楽が良いから名盤になるのか、その因果関係はわかりませんが、アニメファンの中で名盤と言われているレコードは、音楽だけで物語や世界観が表現できている特徴があります。

前述の「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」は、ヤマトが地球を旅立ち、幾多の苦難を超えて、地球に帰ってくる一連の物語が組曲形式で語られており、音楽を聴くだけでヤマトの旅路を追体験できます。

映画「銀河鉄道999」のサントラは「交響詩 銀河鉄道999」としてリリースされ、映画で繰り広げられる鉄郎とメーテルの出会いから別れを音楽で表現。アルバムを一枚聴き終わる頃には、まるで999号に乗って宇宙を旅行してきたかのような清々しい気分にすらなります。

上記2点のアルバム名を見てわかる共通点としては、どちらも交響組曲であったり交響詩であったり、音楽で物語を描くことに重きをおいている事ではないでしょうか。

後者の「交響詩 銀河鉄道999」は、映画で使用された楽曲(レコード用にミキシングは変えているとは思いますが)なので、そのまま”音楽集”という名称で発売してもよさそうですが、”音楽集”だと良くも悪くも音楽の詰め合わせのように感じてしまい名前負けしてしまいそうなので、多少大袈裟かもしれませんが”交響詩”という肩書を冠するのは時代的なものであれ、良い傾向だったと思います。

高額で取引されるレコード

一部のアニメレコードはオークションや中古市場で高額取引されています。

私の好きな作品だと、「聖闘士星矢」のサントラはとにかく高騰している印象があります。

「聖闘士星矢」は音楽面にかなり気合を入れていた事がわかる作品で、2年半の放送の中で、サントラアルバムが8枚も発売されました。

明らかにそんなに沢山曲を作っても劇中で使い切れないくらい作られていて、実際にサントラを聴いてみると、劇中で使われていない曲の方が多い事がわかります。

ですが、アルバム1枚あたりのクオリティがとても高く、音楽だけで物語がつづられているかのような聴き応えがあります。

聖闘士星矢はいろいろな神話をモチーフにした物語ですが、北欧アスガルド編や海皇ポセイドン編など、戦いの舞台と登場人物が変わるたびに、楽器編成をガラリと変えつつも、聖闘士星矢らしいフレーズ(というより作曲家の横山菁児らしいフレーズ?)はそのまま維持するという絶妙な世界観を構築した名盤と言えます。

それが理由なのかどうかはわかりませんが、とにかく聖闘士星矢のサントラは1枚8千円〜2万円程の価格で取引されており、喉から手が出る程欲しいアイテムであります。

(全部とは言わないので、音楽集Ⅳだけでも欲しいです)

少し話が脱線してしまいましたが、好きな作品のレコードが、”人気”という極めてシンプルかつ正当な理由で高額取引されている現実は、手に入らないもどかしさを憶えると同時に、ファンが共通してその価値を認めている事が感じられるので嬉しいです。

また、時流によるところもあるのでしょうが、2024年10月に日本公開された映画「ボルテスV: レガシー」や、同月に放送が開始されたドラマ「ウイングマン」の影響で、原作にあたるTVアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」や「夢戦士ウイングマン」のサントラレコードが若干高額化してきている印象もあります。

レコードの楽しみ方

自宅のアニメレコード環境

私のレコード環境を紹介します。

CD用のステレオの上に、取っ手付きのカバンのようなものがありますが、これが私のレコードプレーヤーです。

部屋の隅っこの本棚の上にこんな風に置いてます。

Voksunというメーカーのスーツケース型レコードプレーヤーです。そんなに高いお金は出したくないけど、オシャレなデザインの奴が欲しいと思って選びました。

取っ手が付いてて持ち運びできるのが良いですね。

開くとこんな感じ。

本体にスピーカーが付いているので、プレーヤー単体で音が出せます。

レコードプレーヤーの中には、スピーカーを外付けする前提の造りの物もあるみたいなのですが、最近のプレーヤーって大体スピーカー内蔵型だと思うので、なんとなくいいなと思ったやつを買えば良いと思います。

「交響詩 銀河鉄道999」を聴いてみましょう。

家で聴くときは下のCDコンポと接続しているので、プレーヤー内蔵のスピーカーよりも良い音で聴けます。

ちょっと強引ですが、プレーヤーと壁の間にジャケットを立てかけると雰囲気が出ますね。

このアルバムは、一曲目の「序曲-メインテーマ」がとても良いんです。

映画では、タイトルロゴが浮かび上がるところでいきなり盛り上がるんですが、音楽だけで聴いても映像がよみがえるくらいの高揚感です。

この記事の冒頭で、「機動戦士ガンダム」のサントラを一番最初に購入したレコードだと書きましたが、この「交響詩 銀河鉄道999」も合わせて購入しています。

「交響詩 銀河鉄道999」はCDで聴いたときからアルバム単体としての完成度がとても高いと思っていたので、たまたまレコードを買ってみようと入ったお店で見つけたときは嬉しかったですね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

この記事を読んでレコードに興味を持ってくれた方がいれば幸いです。

レコードプレーヤーは通販サイトを眺めてもらえばわかりますが、こだわらなければ1万円程で購入できますし、アルバムに関しても、特にアニメレコードになると、本当にそういうのが好きな人しか買わないので、人気でプレミアが付いたものでなければ大体のものは300~1000円で購入できます。

アニメレコードは、収録されている音楽だけでなく、ジャケットイラストやブックレットなど、付属品から当時の雰囲気を感じ取る楽しみもあるので、純粋にアニメが好き、というよりも、80年代の第二次アニメブームを肌で感じたい人に特にオススメの趣味だと思っています。

近くにレコードを取り扱っているお店があるのであれば、試しにジャケットを手に取って眺めてみるだけでもよいかと思います。