みなさん、こんにちは、やしろです。
![](https://sukimanetamania.site/wp-content/uploads/2024/11/DSC_5237-1024x576.jpg)
届きました。
シン・仮面ライダー Blu-ray(初回限定版)です!!
一足遅れて到着です。
説明するまでもなく、2023年に公開された映画「シン・仮面ライダー」が収録されている映像ソフトですが、見どころはそこではありません。
映像特典として、映画を30分単位で分割し、オープニング・エンディングやCM前後のアイキャッチを追加してTVシリーズのような構成にした各話フォーマット版が収録されているのです。
これがまたとても凄い評判の良さで、「これがシン・仮面ライダーの完成形」とまで言われています。
そこまでの評判なら私もBlu-rayを購入して確かめる他ありません!!
目次
はじめに
購入の発端は、熱血マンガ家 島 本 和 彦 先生の、あるツイートでした。
ちょっと長いですが、要約すると「映画を最初観たときは微妙だったけど、Blu-ray映像特典の各話フォーマット版が最高だった」というような感想が、かなりの長文で書かれていました。
島本和彦先生は、シン・仮面ライダーの監督である庵野秀明の事を勝手にライバル視しており、庵野監督が何か面白い物を作るたびに真っ先に観に行って、「俺よりも面白い物を作るんじゃない!!」と悲鳴を上げている事で有名ですが、その島本和彦先生、何故かシン・仮面ライダーに対しては何の感想も述べていませんでした。
(当時から気になっていたと言うわけではなく、つい最近Blu-ray版の特典が凄かったというツイートを見てから、そういえば・・・と気づいただけですが)
島本和彦先生の言う事はもっともで、私も同感でした。
私にとってもシン・仮面ライダーは微妙な映画でした。
私の場合はシン・仮面ライダーに過剰な期待をし過ぎていたせいで、「思ったのと違った・・・」というのもあるのですが、なんていうか、「仮面ライダーっぽくないかなぁ」という印象でした。
私がシン・仮面ライダーに過剰な期待をしてしまったのは映画公開前のPVでした。
初代TVシリーズのオープニング映像を再現したもので、「ブォーン!!」と爆音を上げながらサイクロン号が走ってきて、ライダーの顔アップに被さるタイトルロゴと同時に「ジャーン♪」と鳴り響くイントロからはじまるあの映像が、丸ごとシン・仮面ライダーの要素で作り直されているものです。
これです。
これを観た時に私はてっきり、あの当時テレビで放送されていた仮面ライダーのノリを令和の世にそのまま再現してしまう映画なのだと解釈したのです。
ショッカー戦闘員が「イーッ!!」と現れ、颯爽と仮面ライダーが駆けつけて、「トォッ!!」と戦闘員をやっつけて、最後はライダーキックで怪人をやっつける。
「仮面ライダーとはなんたるか」を考察したり議論するのではなく、「あの頃、子供たちの目に映っていたライダーは、こんな風だったよね」というのを見せてくれる映画だと思っていました。映画を観終わった人たちが、老若男女問わず、細かいことは気にせずに、変身ポーズを決めて、仮面ライダーに成り切ってしまうような、そんな映画だと思っていたのです。
なんだか、こうやって文字に起こすと、思想の強い逆張り老害厄介オタクみたいで嫌ですが、仮面ライダーって何かあるたびに原点回帰して初代オマージュを深堀りしがちなシリーズなので、それら過去の原点回帰作品たちと差別化するためには、仮面ライダー本来の定義を”設定面”でなく、”作品のノリ”で表現する方向で作品を作らないと却って負けてしまうのではないかと私自身が懸念していました。
初代仮面ライダーの丁度良いリメイクとしては、2006年時点で「仮面ライダー THE FAST」が既にありましたからね。
そんな訳もあって、シン・仮面ライダーには並々ならぬ期待をしていたのです。
さて、いざ実際に映画を観てみたらどうでしょう?
あの当時放送されていた仮面ライダーという感じではなかったですね。
そりゃそうです。あの頃のTV番組の雰囲気を求めていたのは私だけなのですから。
シン・仮面ライダーになるにあたって見直された諸々の要素は良いところばかりでしたが、映画を見終わった後の感想としてはイマイチの物足りなさがありました。
「これでよかったのか?」と疑問を浮かべながら、でも映画を観た人達は楽しそうにしていたので、自分の中で期待値を上げすぎてしまったせいで楽しめなかったのだと納得するしかありませんでした。
これは私がいけなかったと思います。
シン・ゴジラもシン・ウルトラマンも面白くて、それらと同じ感動をシン・仮面ライダーももたらしてくれると勝手に期待していた自分が悪かったのです。
でも、それと同時に、「自分もシン・仮面ライダーを楽しんでみたかった」という気持ちもありました。
「つまらなかった」で済ませてしまうには勿体ないコンテンツだからです。
そんな日々を過ごし、シン・仮面ライダーの興奮も収まった2024年11月。映画公開から1年8ヶ月が過ぎた今になって、やっと発売されたBlu-rayがファンの気持ちを一気に塗り替えました。
Twitterで流れてくるのは、Blu-rayの映像特典に対する賞賛の嵐。
この情報にさらされていく内に、私の中にいろんな感情が芽生えてきました。
「Blu-rayを観れば、自分もシン・仮面ライダーを楽しむ事ができるかもしれない。」
シン・仮面ライダーを楽しむ事ができなかった自分にケリを付け、シン・仮面ライダーを楽しめる自分になれるチャンスだと思い、Blu-ray購入を決めました。
第1幕「怪奇クモオーグ」
第1幕は、映画のはじまりから、クモオーグ戦終了までで構成されています。
第1幕に関しては映画公開当初から好きな部分なので、各話フォーマット版になったからと言って、どうという事も無いのですが、オープニングとアイキャッチが挟まるだけで、何故こんなにも印象が変わるのでしょうか?
大きな映画のワンシーンというよりも、第一話だからこんな感じですよ、という風にコンパクトに感じられました。
ゲームのチュートリアルのように思える緑川博士の説明セリフも「説明くさいなぁ」とも思わず、「なるほどなるほど〜」とすんなり聞こえてきます。
クモオーグとの戦いは、映画として観た場合は序盤なので、良くも悪くも最初の掴みでしか無いのですが、各話フォーマットになることで、その回のクライマックスになるので、楽しみ方自体が変わってきます。
不思議ですね。
前述の通り、クモオーグ編に関しては最初から不満は無かったのですが、各話フォーマット版になってちょっと惜しいな〜、と思ったことは、映画冒頭の東映マークの映像が映ることと、ルリ子のセリフが終わった直後に本編が終わるので余韻が無かった事ですね。
サブタイトル画面やアイキャッチを挟む編集ができるなら、東映マークをカットしたり、ラストをちょっとだけ引き伸ばすくらいはできたような気もしますが・・・だからと言ってそれが致命的に惜しいかと言うとそうでもないので、よいかと思います。
第2幕「恐怖コウモリオーグ」
第2幕は、本郷とルリ子が隠れ家にたどり着くところから、コウモリオーグを倒すところまでで構成されています。
この第2幕も映画で観て面白かったので、各話フォーマット版でも変わらず楽しめたのですが、やはり分割される事によって、どこに焦点を当てて観ればよいのか、何を楽しめばよいのか、という所が変わりますね。
第2幕は、ショッカーとはどんな組織なのか、本郷猛がどのようにして戦う決意を固めるのか、といったところが焦点になります。
連続モノのヒーロー番組なら、必ず消化しなければならないくだりです。
各話フォーマット版になって気づいた事というか感じた事というか、映像が写真や絵みたいなんですよね。
構図が良い意味でキレイなんです。
言いたいことが上手く伝わるか自信が無いですが、画作りが凄いパキッしているんですよね。
だからこそ、映画館の大画面では要素が分散してしまって見づらく、自宅のTV画面のサイズで観ることで、人間の視野で全体の構図が認識できるようになるんです。
シン・仮面ライダーはネット配信をPCの画面やTVで観ると良く感じる・・・という意見もありますが、それって自宅のモニターで観てはじめてしっくりくるような画作りをしてたからなんだな、と感じました。
戦闘シーンはほとんど一瞬でしたが、ラストの本郷とルリ子のやり取りがよくて、好きな回でした。
第3幕「怪人サソリオーグ!」「怪異!ハチオーグ」
第3幕は、個人的には結構好きなんですよね。
ショッカー構成員の私生活や、操られているとはいえ一般人が登場するからです。
第1幕も第2幕も、必要最小限の人間関係だけで物語が進むので、世界観のスケールの割に、登場人物のいる舞台が狭い印象もありました。
仮面ライダーの戦いと、ショッカーの暗躍が人知れず行われているという事の直接的な表現だとはわかりますが、それはそれとして誰の目にもつかなすぎる感じもします。かといってヘタに一般人が出てくると物語の展開上、邪魔にしかならないので難しいところです。
そんなわけもあって、第3幕は舞台が広がった感じがして、ワクワクしました。
第1幕と第2幕が、本郷猛に戦う決意を固めさせることでTVシリーズの地盤を整える回だとすると、第3幕はTVシリーズの方向性が決まった後に展開さされる1話完結の通常エピソードとしての趣が強く、より仮面ライダーらしさを感じます。
映画ではコウモリオーグを倒した直後にサソリオーグ編、ハチオーグ編と続くので連続した時系列のように感じますが、各話フォーマット版になることで、第2幕から第3幕の間に、映像では語られない様々な戦いがあったかのようなタイムラグを感じ、それがうまい具合に作用しているのだと思います。
でも、このタイムラグが、TVヒーローには大切なことだと思います。
仮面ライダーが放送から50年経ってもファンの心の中に頼もしい存在として残り続けているのは、ただ単にヒーローとしてカッコよかったたからというだけでなく、次の放送を楽しみに待ちながら、雑誌を読んだり、ライダーカードを集めたり、ごっこ遊びをしたりして、仮面ライダーがTVで放送していない間も、仮面ライダーと一緒の時間を過ごしていたから、というのが大きいからです。
私はシン・仮面ライダーの各話フォーマット版を観るときは、1日1幕しか観ないようにしました。
そうすることで、次のエピソードはどんな風になるのか、ワクワクとした時間を過ごすことができるからです。
これこそが、当時仮面ライダーを観ていた子供たちが過ごしていた日常の追体験になると思っているからです。
もっとも、シン・仮面ライダーは映画館で既に観ていて内容は知っているので、ワクワクするところと言えば、各話フォーマット版の追加要素くらいしか無いような気もするのですが、完結したマンガを最初から読み直したり、一度クリアしたゲームをもう一度最初からプレイしたりする感覚と大して変わりません。
第3幕に関しても、Blu-rayの再生を楽しみにしていたわけですが、これもこれで面白い発見がありました。
ハチオーグ編ってシン・仮面ライダーの中でも少し特異です。任侠映画のオマージュがあったり、戦闘シーンが独特のパラパラ漫画みたいな演出になったりと、シン・仮面ライダーを一つの映画としてトータルで観た時に、チョット浮いてる感があるんですよね。
でも、各話フォーマット版でエピソード毎に区切られることで、俗に言う「今回はこういう演出」みたいな解釈で観ることができました。
TVシリーズって複数の監督がローテーションで製作しているので、当然、同じ番組なのに監督によって演出が変わったり、雰囲気が変わったりということがあり得るわけで、ハチオーグ編で憶えたチョット何か違う感は、「今回の監督はこういう演出をする人」みたいな解釈で受け入れることができたわけです。(といっても全部、庵野監督がやってるんですが)
第4幕 (前編)「死斗!復しゅう鬼K.Kオーグと対決!!ライダー対第2バッタオーグ」
この辺りから、映画前半の一話完結的な雰囲気は無くなり、連続ドラマ的というか、本来の映画らしい雰囲気になるんですが、同時に、なんだか初代仮面ライダーっぽさが無くなっていって、シン・仮面ライダー特有の展開になっていきます。
この辺りは想定できなさすぎて、上映中ポカーンとしてしまいましたが、各話フォーマット版で改めてみても、仮面ライダー1号と2号がドラゴンボールみたいに空中で格闘する映像は、未だに葛藤しますね。
改造人間の能力を駆使した戦いを映像化するとこうなるんだろうけど、初代仮面ライダーっぽくはないよなぁ・・・みたいな。
でも、各話フォーマット版だと、映画で観るよりも、ここに至るまでの出来事の時間が長い感じがして、本郷とルリ子の築き上げてきた絆の重さや、ルリ子の死の辛さがより強まっている気もします。
ここで言う”出来事の時間が長い”と言うのは、映像が間延びして退屈だったというわけではなく、各話フォーマット版を観ていない間もシン・仮面ライダーの事を考えていて、頭の中に本郷とルリ子がいて、ずっと登場人物たちと同じ時間を過ごしてきた自分の内面の話です。
第4幕(前編)は、冒頭に隠れ家でも、チョウオーグのアジトでも、ルリ子の死に際でも、死後のビデオレターでも、とにかく本郷とルリ子の掛け合いが多く、二人の関係が凝縮された回になっていたと思います。
不思議ですね。本郷とルリ子はいつも一緒に行動して、掛け合いも多いはずなのに、第4幕(前編)は距離感が近くなってきているからこそ、それまでとは違って見えてしまいます。
第4幕(前編)はラストの夕日も切なくて印象的でした。
第4幕 (後編)「至高の超人チョウオーグと13人の仮面ライダー」
シン・仮面ライダーもいよいよ最終回。
冒頭の静かな場面が、東映特撮ヒーローの最終回冒頭にありがちな絶妙な静けさで、不思議と懐かしい感じがします。
各話フォーマット版は一連の映像の間に次回予告やOP、EDが挟まることで、視聴者の気持ちが一旦リセットされるので、エピソードとエピソードの間に、映像では語られない戦いがあったような錯覚になるのですが、それが良い意味で作用して、政府の男と諜報機関の男に対して打ち明ける本郷の決意も、より深みを帯びているように聞こえます。
その後は、11体の相変異バッタオーグやチョウオーグとの戦いが連続し、ほぼアクションずくしの回となります。
相変異バッタオーグとの戦いは、映画館で上映されたものは暗すぎて何をやってるのかわかりづらかったんですが、明るさが調整されたことで映像が鮮明になっており、なにをやっているのかわかりやすく、新鮮に感じました。
続くチョウオーグ戦。
最終決戦なので、ものすごい激しい戦いになるかと思っていたのですが、結構、割とアッサリしていた感もありますね。
各話フォーマット版になることで見え方が変わるかも、と思ったのですが、印象を覆すほどではありませんでした。
ちょっとこれは、私の期待しすぎがよくないんですが、チョウオーグって仮面ライダー原作者の石ノ森章太郎先生が後年連載していたイナズマンのオマージュだと思っていて(イチローが変身したときの素顔なんかは、かなり原作版イナズマンですしね)、てっきり逆転チェストやイナズマ落としみたいなものすごい必殺技でダブルライダーをボコボコに追い詰めるものだとばかり思っていたのに、それが全く無かったのが個人的に肩透かしを食らったようで、今でもいろいろ考えてしまうんですよね。
そんなこんなでラストシーン。
新たな仮面を身に着けた一文字が、新サイクロン号でどこまでも続く橋を駆け抜けてシン・仮面ライダーの物語が終わりを迎えます。
この新サイクロンが走っていく場面、映像自体は映画館で上映されたものと同じですが、BGMが「Where you go」ではなく、「レッツゴー!!ライダーキック」の榎本祐verになっています。
「Where you go」は清々しい曲調で、一文字のすっきりした気分の表現になっていたかと思いますが、「レッツゴー!!ライダーキック」になることで、これから続いていく長い戦いに赴くライダーの勇ましさを応援する力強いラストになったかと思います。
しかも、一文字隼人を演じた榎本氏が歌っているものなので、一文字が自らを鼓舞するために歌っているかのようで、余計に感慨深いものになったのではないかと。
最後にわがままを言わせていただくと、ラストで走っていくサイクロン号を背中から映す映像は、「レッツゴー!!ライダーキック」よりも「かえってくるライダー」のアウトロの方が合うんじゃないかなぁ、とも思ったりしました。
さいごに
さて、Blu-rayを衝動買いしてシン・仮面ライダーの各話フォーマット版を最後まで観ることができたわけですが、最初に映画を観終わった時と、そんなに感想は変わらなかった、というのが正直な気持ちです。
「各話フォーマット版よかった!シン・仮面ライダー最高!!」となっているのが理想だし、そうなりたかったんですが、そこまでの心境の変化は自分にはありませんでした。
では、Blu-rayを購入するために払ったお金や、各話フォーマット版を観た時間、各話フォーマット版の次の回を観るまでワクワクしていた気持ち、それら全てが無駄だったかと言うと、そうではありません。
この各話フォーマット版を通じて、自分の中のシン・仮面ライダーに対するわだかまりを払拭することができたからです。
各話フォーマット版って、観終わった後の感覚が、TVシリーズを1本観終わった時と同じなんですよね。
TV放送みたいな構成をされているので当然なんですが、だからこそ見え方が変わると言うか、チョウオーグ戦のなんとも言えない感じが、より東映特撮ヒーローの最終回らしく見えるんです。
東映特撮ヒーローの最終回って、今でこそちゃんと盛り上がって完結しますが、70年代の特撮ヒーローに関しては、次の新番組にリソースもお金も取られて、イマイチ地味な仕上がりになっている事が多く、それと近いものをシン・仮面ライダーの最終決戦からも感じるんですよね。
真っ暗な背景の中に床と玉座があるだけのシンプルなチョウオーグのアジトで、仮面ライダーとチョウオーグがエフェクトの合成も無く取っ組み合う一連の映像、なんだか本当に、70年代の仮面ライダーを彷彿とさせるんです。
この辺、同意が得られる自信は無いのですが、70年代の仮面ライダーシリーズの最終回って映像としては地味なんですよ。
第1話が凄い勢いのあるテンションの高い仕上がりになっているのに、最終回になると、悪の親玉を倒すという必要なノルマをこなすだけのエピソードになってしまっている感があって、時代が時代なので「そういうものか」と受け入れざるをえないんですけど、そういうのをシン・仮面ライダーに感じたんです。
それがシン・仮面ライダーを楽しむうえで正解だとは思わないですが、そういった70年代特撮ヒーロー特有の読後感を感じることができたというのが、自分にとってのシン・仮面ライダーの真価だったと思います。
良い意味で、あの頃の気持ちに還ることができたわけです。(当時生まれてませんが)
そういう気持ちになれたからこそ、自分の中におけるシン・仮面ライダーの位置づけも明確になりました。
「あぁ、これは自分の中で一番ではないかな」っていうのが答えです。
私は特撮ヒーロー番組が大好きですが、だからと言って全ての番組を分け隔てなく好きというわけでもありません。
一般的に名作とされているものでも個人的には好きでなかったり、世間的に駄作とされている作品でも何故だか大好きだったり。
でも、作品の好き嫌いが肯定や否定とイコールではないですし、出来の良し悪しでヒーローの格好良さが損なわれるかと言うと、決してそうではないです。
シン・仮面ライダーは仮面ライダーがどうというよりも、それ以前に、自分が特撮ヒーローに対してどう向き合うかを改めて教えてくれた映画になりました。
私は心のどこかでシン・仮面ライダーを神格化しようとして、でもできない自分にもどかしさのようなものを感じていたんだと思います。
あの特撮大好きな庵野秀明が作ったんだから、自分も楽しめるはずだし、楽しまなければいけないと、思っていたのかもしれませんが、大切なのは、庵野監督が作ったからどう、とか、島本先生が絶賛してるからどう、とかそういうのじゃなくて、ちゃんと自分の中で自信を持って「シン・仮面ライダーはこんな映画だった」と言える軸のようなものをちゃんと持つべきだったんです。
「シン・仮面ライダーはイマイチだったけど、ライダーは格好いいからそれでいいじゃん」
そう思うことによって、私は数多の仮面ライダーシリーズの一作品としてシン・仮面ライダーを認めることができるようになりました。
こんな素晴らしい映画を作ってくれた庵野秀明監督、Blu-rayを購入するきっかけを与えてくれた島本和彦先生、本当にありがとうございました。
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